T.Konishiのブログ

歴史とか本とか旅行とか

研究雑々感

研究雑々感②家並役の余話ーー近・現代「家並役」のあれこれ

はじめに 家並役とは、「家」ごとに夫役(労働)や諸公事(年貢以外の現物)を負担する役である。この家並役は、(日本)中世後期の畿内近国に出現し、近世には全国へと展開していった・・・云々。 学術論文では、往々にしてこのように表現するほかないが、…

研究雑々感①「ほうく」「ほご」ーー発音と史料と歴史学の狭間で

「反故」「反古」という文字を見たとき、現代日本人の多くは「ホゴ」と読むであろう。 だが、日本中世史の研究者は一拍置いた上で、「ホウグ」と読む可能性が頭の中をよぎる。というのも、中世史料(売券等、権利証文に多い)では仮名にて「ほうくたるへく候…